ウェビナーとは?目的・メリット・リアルセミナーとの違いを解説
オンライン上で開催するセミナーである「ウェビナー」。リード獲得や既存顧客フォローなどを目的として実施する企業が増えました。リアルセミナーと比較して、視聴データの取得・活用や、多くのリードを獲得できることに強みがあります。
今回は、ウェビナーの目的、リアルセミナーとの違い、メリット・デメリット、成功させるコツなどをご紹介します。
ウェビナーとは?
ウェビナー(Webinar)とは、オンライン上で開催するセミナーのことで、「Webセミナー」「オンラインセミナー」と呼ばれることもあります。BtoBマーケティング手法の1つです。
企業は、主にリード獲得・商談の創出・ナーチャリングを目的としてウェビナーを開催します。コンテンツとして多いのは、業界トレンドの解説や、商品・サービスに関する情報の提供です。
オンライン上で開催されるウェビナーは場所を選ばず視聴できることから、ウェビナーは参加者にとって手軽に参加できるイベントです。そのため、期待できる集客層は、業務に役立つ情報収集をしたいと考えている、もしくは、商品・サービスに興味を持っている、いわゆる潜在層から比較検討層が中心となります。
また、既存顧客のフォローを目的として開催するウェビナーもあります。この場合、提供するコンテンツは商品・サービスのより良い活用方法や成功事例の紹介などが一般的です。他にも、ブランディング、認知度向上を目的とした開催などもあります。
配信方法:ライブ配信・オンデマンド配信・疑似ライブ配信
ウェビナーの配信方法は「ライブ配信」「オンデマンド配信」「疑似ライブ配信」の3パターンあります。
ライブ配信は、リアルタイムでセミナーを行いその様子を配信する形式です。参加者とはチャットや音声を通して質疑応答などのコミュニケーションを行いやすいのが特徴です。一方、開催日時の都合で参加したくても参加できない人やライブ配信特有のトラブルの発生などがデメリットとして挙げられます。
オンデマンド配信は、あらかじめ撮影したセミナーの映像を配信する形式です。参加者はいつでもどこでも視聴できるため、開催日時に縛られない柔軟な集客活動が可能です。また、配信映像をあらかじめ編集することで、クオリティの高いセミナーに仕上げることも可能です。一方、参加者とのリアルタイムでのコミュニケーションは制限されるため、反応が分かりづらいです。また、「いつでも見られるから」と参加者の集中力が下がったり、一方的なコミュニケーションで退屈さを引き起こしたり、結果として購買意欲が高まらないことも想定されます。
疑似ライブ配信は、あらかじめ撮影したセミナーの映像を決まった時間に配信しつつも、チャットや質疑応答にはリアルタイムに対応する配信形式です。この形式の場合、当日の運用負荷を減らしつつも、リアルタイムでのコミュニケーション機会を提供することが可能です。ただし、ライブ配信同様、参加者は開催時間に参加しなければ視聴できないという制約があります。
企業がウェビナーを実施する目的
ウェビナーは、大きくわけて以下の4つを目的として開催されます。
- リード獲得・商談の創出
- リードナーチャリング
- 既存顧客のフォロー
- ブランディング、認知度向上
「リード獲得・商談の創出」「リードナーチャリング」を目的としてウェビナーを開催する場合、業界知識など情報提供をコンテンツとする「お役立ちセミナー」や、商品・サービスの機能や事例紹介などの「説明会」として実施されることが多いです。
開催後にはアンケートで参加者の興味関心度合いを測り、関心度の高い人には商談の場を提案、リードナーチャリングが必要な人には次回のウェビナーの案内を送るなどの対応をします。
「既存顧客のフォロー」が目的の場合は、商品・サービスを有効活用するための「お役立ちセミナー」や、顧客同士を繋げて活用事例を共有してもらう「ユーザー会」を開催します。特にユーザー会では顧客同士が情報交換できる場を用意することで、利用継続率向上に繋がる可能性もあります。
「ブランディング、認知度向上」を目的とする場合は、「業界セミナー」として業界の動向や最新情報を提供し、市場を牽引していく姿勢を見せるなど、注目度を高めるような動きをします。自社だけでなく複数の企業で共催することも有効的です。
リアルセミナーとウェビナーの違い
多くの潜在層にリーチできるウェビナーですが、リアルセミナーの需要が高まっているのも事実です。コロナ禍でウェビナーの開催が増えましたが、リアルセミナーの方が商談化率・受注率が高まりやすいという実感が、担当者の中で生まれてきているからです。
そこで、リアルセミナーとウェビナーの違いを3つのポイントに絞って見てみましょう。
伝えられる情報の差
リアルセミナーとウェビナーには、伝えられる情報の差があります。
- リアルセミナー:対面で五感に訴えかける、体験してもらう
- ウェビナー:図解など視覚的にわかりやすく訴求する
リアルセミナーであれば、セミナー会場に足を運んだ参加者に、実際に商品・サービスを手に取ってもらい五感で体験してもらうことができます。オンライン上では伝わりきらない感覚を届けることが可能です。
ウェビナーでは、図解など視覚的にわかりやすく発信できます。映像などクリエイティブを作り込むことができれば、世界観やブランドイメージを理解してもらうことができるでしょう。
ただし、リアルセミナーの方が、直接相手の反応を見ながらフォローが出来るからこそ、参加者の興味関心度合いを引き上げやすいと考えられています。
参加者の属性の差
セミナーでの提供コンテンツの内容にもよりますが、参加者の属性にも差が生まれます。
- リアルセミナー:購買意欲の高い見込み層
- ウェビナー:情報収集・検討段階で購買意欲の低い潜在層
リアルセミナーの場合、参加者は実際に会場まで足を運ぶ必要があるため、その分、熱量が高いといえます。
ウェビナーはオンライン上で気軽に参加できるからこそ、テーマに関心があるだけでまだ商品・サービスを検討していない潜在層が集まりやすい傾向にあります。一方、場所の制約がない分、リアルセミナーよりも多くの参加者が見込めるでしょう。
より顕在層寄りの集客を行いたいのであればリアルセミナーが適し、より多くのリードを獲得したいのであればウェビナーが適していると言えるかもしれません。
取得できるデータの差
リアルセミナーと比較して、ウェビナーのほうが取得できるデータ量や正確さが勝るといえます。実際に取得できるデータは以下です。
- リアルセミナー:熱量などの定性情報(+事後アンケート)
- ウェビナー:視聴履歴データなどの定量情報(+事後アンケート)
どちらの形式でも事後アンケートの回答を収集すれば、ある程度参加者の見込み度合いを想定することができます。ウェビナーの場合は、アンケート回答に加えて、参加者がどのくらい視聴したのかなどの定量的な行動ログも取得可能です。
リアルセミナーでは接客を行った担当者による定性データ(コミュニケーションした内容や参加者の熱量など)を収集可能です。これらは、担当者による主観的なものであるため、担当者のスキルにより正確性にばらつきが生じる問題点はあるものの、リアルだからこそ収集可能なデータであると言えます。
ウェビナーのメリット
ウェビナーを実施する企業のメリットは以下の通りです。
視聴履歴などのデータを取得・活用できる
参加者の視聴履歴などの行動ログを取得し、マーケティング施策に活用できるのがメリットです。取得できる行動ログとしては、ウェビナーの案内メールの開封率・URLクリック率や、ウェビナーの視聴時間、事後アンケートの回答、その後のメルマガの開封率などのデータがあります。
取得したデータをもとに参加者のセグメント分けを行い、そのセグメントごとに適したコンテンツを提供したり、商談の打診を行ったりと、適切なアフターフォローが可能です。
潜在層〜比較検討層の集客がしやすい(リード獲得)
気軽に参加できるウェビナーでは、ウェビナーの開催テーマに興味がある人が申し込みしやすいため、企業としては潜在層や比較検討層のリード獲得が狙えます。
ウェビナーの集客手法としては、ハウスリストへのメルマガやWeb広告、外部イベントサイトへの掲載などがあります。リアルセミナーと比較して開催場所による物理的な制約がないことからも、より多くの集客を期待できます。
配信コンテンツの再利用で工数削減できる
ウェビナーを録画しておけば、オンデマンド配信や疑似ライブ配信に展開できるため、ウェビナー開催の工数を削減できます。同じ内容のウェビナーを開催する必要がなくなります。
また、録画したウェビナーをダウンロードコンテンツとしてサービスサイト上に掲載すれば、ホワイトペーパーのような立て付けで、新たなリード獲得にも活用可能です。
ウェビナーのデメリット
メリットの多いウェビナーですが、以下のようなデメリットもあります。
反応が分かりづらく、途中退室の可能性も
オンラインで実施する性質上、参加者の顔が見えない状態で一方的に話すことになるため、参加者の反応は見えづらいです。何か他の作業をしながら視聴していて集中していなかったり、画面をつけているだけで見ていなかったり、参加ハードルが低いからこそ気軽に途中退室したりする可能性もあります。
この状態のままウェビナーを実施しても、参加者の興味関心度合いを高めることは難しく、データ上では視聴しているのに一向に商談化させられないといった状態に陥ってしまうでしょう。
参加者の反応を得たり、集中力を保たせて離脱を防いだりするには、セミナー中にコミュニケーションを取り、内容に集中してもらえるような工夫が必要です。例えば、セミナーの合間にチャットに投稿するような投げかけを行うのも一つの手です。投票を募ったり、質問をチャット欄に投稿してもらったりする機会を提供し、参加者が当事者意識を持ってセミナーに参加できるようにしてください。
映像・音声が途切れる可能性がある
ウェビナーの配信中に、映像や音声が途切れたり遅延したりして、参加者の満足度が下がってしまう可能性があります。事前にネットワーク環境の確認が必要です。
通信トラブルを完全に防ぐことはできませんが、有線でネットワークに接続したり、バックアップが用意された専用スタジオで配信したりと、対策方法を検討してみてください。
万が一途切れてしまった場合に備えて、参加者に今後の対応についてすぐにメール案内できるよう雛形を事前準備しておけば、当日慌てずに対応でき安心です。
ウェビナーを成功させるコツ
ウェビナーを成功させるためには、以下のようなポイントに気をつけて企画・準備をしてください。
- 目的に合うコンテンツを企画する
- 参加者が求めている情報を発信する
- 事前リマインドで参加率を上げる
- 参加者へのアフターフォローを行う
詳細は以下の記事をご覧ください。
ウェビナーツールの選び方
ウェビナーを成功に導くには、適切なウェビナーツールを導入することも大事です。ウェビナーツールを活用して、コンテンツの配信・録画や、チャット・投票などのコミュニケーションをスムーズに実施しましょう。
選定ポイントは、たとえば、以下のような項目が挙げられます。
- 主催者・参加者ともに使いやすいツールである
- 効率的に開催できる機能が備わっている
- サポート体制が充実している
また、「配信」という観点のみならず、イベント開催にまつわる一連のタスクにシームレスに対応しているか、という観点でも機能を比較してみてください。イベント管理プラットフォーム「Cvent」なら、ウェビナー配信機能だけでなく、イベントサイト・申込フォームの作成、オンライン展示、オンライン商談、レポーティング、アンケート、MA/CRMツールとの連携等、イベント開催にまつわる包括的な機能が充実しています。
まとめ|目的に合わせて効果的なウェビナーを実施しよう
ウェビナーは、リアルセミナーよりも潜在層寄りではあるものの多くのリード獲得を期待でき、コンテンツの2次利用や(リアル開催では工数や予算の関係からハードルが高い)定期開催を実現できます。一方で、リアルセミナーでは、見込み度の高い参加者を集客でき、参加者から直接反応を受け取ることができます。
ウェビナーツールの比較検討時には、ぜひ、包括的な機能が充実しておりウェビナーだけでなくリアルセミナーにも対応できる「Cvent」も検討してみてください。