ウェビナーマーケティングとは?メリットや成功のコツを解説
ウェビナーマーケティングとは、オンライン上のセミナーを利用するBtoBマーケティング手法の一つです。「業務に役立つ情報収集をしたい」「商品・サービスに興味がある」と参加する、主に潜在層~比較検討層の視聴者に対して、適切な情報提供を行いながら、商品・サービスへの購買意欲を高めていくことができます。
今回は、ウェビナーマーケティングの配信形式やメリット、成功させる7つのコツをご紹介します。
ウェビナーマーケティングとは?
ウェビナーマーケティングとは、オンライン上で開催するセミナーを活用したBtoBマーケティング手法の一つです。ウェビナー(Webinar)は「Webセミナー」「オンラインセミナー」などと呼ばれることもあります。
ウェビナー開催企業は、業界トレンドや商品・サービスに関する情報提供を行います。これらの情報提供の結果、参加者の商品・サービスに対する購買意欲を高めることが目的です。
オンライン上で実施するイベントだからこそ、視聴履歴などのデータを取得しやすいのが特徴です。これらのデータを使って、最後まで聴取した人には商品・サービスの詳細を案内したり、途中で離脱した人には関連コンテンツを提供したりと、ウェビナー後に参加者に適切なアプローチをしやすくなります。
データの取得性に加え、オンラインだからこそ参加者が気軽に参加できるメリットがある反面、リアルセミナーと比較すると、当日の参加率が低かったり、セミナー途中で離脱してしまったりする傾向が強く、課題もあります。
そのため、ウェビナー企画者としては、参加者にどのようなニーズがあり、どのような形式で実施すると良いのかを検討し、より参加者の満足度を高めていくことが大切になります。
ウェビナーの主な参加目的は「業務に役立つ情報収集」
参加者がウェビナーに参加する目的は、業界やトレンドの情報、業務に役立つテクニックや技術などの「情報収集」が中心です。
ファストマーケティングが2020年9月に実施したアンケート調査結果によれば、具体的には以下のような目的で参加しているとのことです。
● 業務に役立つテクニックや技術を学ぶ:37.9%
● 業界や世の中のトレンドを知る:35.9%
● 製品やサービスの情報収集:35.0%
いずれも業務に生かせるようなノウハウや知識を得たいと、ウェビナーに参加していることが読み取れます。参加者の満足度を高めるには、業界知識やノウハウなどをコンテンツに入れることがポイントだと考えられるでしょう。
ウェビナーの配信形式:ライブ配信・オンデマンド配信・疑似ライブ配信
ウェビナーの配信形式は、以下の3種類に分けられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめました。
配信形式 | 特徴、メリット・デメリット |
ライブ配信 | 開始時間からリアルタイムでセミナーを実施する形式。 メリット ・音声やチャット機能などで参加者とコミュニケーションを取りやすい ・質疑応答をリアルタイムで受け付けて対応できる デメリット ・開催時間に参加できない人を取りこぼしてしまう ・リアルタイム配信特有のトラブルが発生しやすい |
オンデマンド配信 | あらかじめ録画しておいたセミナーの映像を配信する形式。 メリット ・時間を問わず参加できるため集客数を担保しやすい ・作り込んで完成度の高い内容を配信できる デメリット ・参加者とコミュニケーションを取れない ・いつでも視聴できることにより、参加者の購買意欲や集中力が下がる可能性がある |
疑似ライブ配信 | あらかじめ録画しておいたセミナーの映像を、ウェビナー開始時間から配信開始する形式。 ※チャットや質疑応答はリアルタイムで対応 ※巻き戻しや早送りは不可 メリット ・参加者とリアルタイムにコミュニケーションが可能 ・コンテンツを事前に準備できる デメリット ・ライブ配信同様、参加者に時間の制約がある |
いずれの配信形式も慣れるまではトラブルがつきものです。どのようなウェビナーにしたいか、どんなメリットを得たいか、などによって検討してみてください。
ウェビナーマーケティングのメリット
ウェビナーは、会場で開催するリアルイベントと比較して、運営の手間やコストを抑えられるのがメリットです。特にイベント管理ツールを活用すると、企画から開催後のアフターフォローまで、効率的に実施できます。
また、参加者はわざわざ会場に行く必要がなく、気軽に視聴できることから、集客もしやすいでしょう。会場の人数制限もないため、大規模配信も可能です。日本だけではなく、海外からの参加も期待できます。
ウェビナーマーケティングには、他にも以下のようなメリットがあります。
視聴履歴などデータを取得しやすい
オンライン上で実施するセミナーだからこそ、参加者の視聴などの行動ログを取得しやすくなります。これらのデータをもとにマーケティング施策を実施できるのがメリットの一つです。
ウェビナー案内メールの開封率、ウェビナーの視聴率、アンケート回答などのデータをもとに、参加者一人ひとりに合わせたフォローが可能です。また、これらのデータを集計して、ウェビナー自体の評価や振り返りにも活かせます。
潜在層〜比較検討層のリードを獲得しやすい
ウェビナーマーケティングでは、潜在層から比較検討層まで、幅広い層のリードを獲得しやすいのが特徴です。リアル会場でのセミナーと比較して、より多くのリードを獲得できるでしょう。
リアル会場で開催する場合、参加者は時間をかけて会場まで足を運ぶような、具体的に比較検討を行っている層に限られる可能性が高くなります。見込み度が高い一方で、限られた人しか参加しないため、参加人数は多くないでしょう。
リードナーチャリングを行いやすい
獲得した見込み顧客に商品・サービスのメリットや必要性を啓蒙し受注に繋げる「リードナーチャリング」の手段の一つとして、ウェビナーマーケティングは有効です。
リードナーチャリングでは、見込み顧客と中長期的に接点を持ち、次なるステップである案件化、商談化、受注へと繋げていきます。
関係性を深めていく接点として、ウェビナー案内メールを送ったり、ウェビナー参加者に対してアンケートを配信し、その回答をもとにステップメールを配信したりするのが効果的です。
特にアンケートでは、参加者の興味関心度合いを具体的にヒアリングできるため、その後のフォローも適切に行え、成約率アップを期待できます。
過去のリードに対してウェビナー案内メールを送信することで、休眠顧客の掘り起こしも可能になるでしょう。
コミュニケーションや信頼関係構築に繋がる
ウェビナー配信中、チャットや質疑応答などで参加した見込み顧客とコミュニケーションを取ることができます。
リアルイベントでは、途中で質問などを差し込みづらい雰囲気があり、参加者にとっては質問すること自体のハードルが高くなってしまいます。
一方、オンラインで実施できるウェビナーであれば、タイミングを気にせずに気軽に投稿でき、コミュニケーションが活性化します。
ウェビナー配信中には時間の都合で回答できなかったとしても、後日まとめてメールで回答する等、丁寧に対応することで、リアルイベントに負けない関係構築にも繋がるでしょう。
専門的な内容もわかりやすく伝達できる
映像で配信するウェビナーは、視覚的に伝えやすい資料や図表などを投影し、口頭で補足しながら丁寧に説明できます。
リアルイベントだと参加者が着席した位置などによっては資料が見えづらい可能性もありますが、ウェビナーなら画面いっぱいに表示させることができるので見やすいでしょう。参加者に届く情報量が増え、専門的な内容でも分かりやすくなります。
配信コンテンツを再利用できる
ウェビナーの配信内容をオンデマンド配信・疑似ライブ配信として再利用できます。同じ内容のウェビナーを何度も開催する必要がなく、運営側の手間やコストを削減できるでしょう。
録画したウェビナーや講演資料を「お役立ち資料」としてまとめてWeb上で公開するのも一つのやり方です。サービスサイトやオウンドメディアに掲載し、資料ダウンロードを促します。個人情報の入力を求めれば、新規リード獲得も可能です。
ウェビナーマーケティングを成功させる7つのコツ
ウェビナーマーケティングを成功させる7つのコツを解説します。
①参加者が求めている情報を発信する
ウェビナーのメインコンテンツでは、参加者が求めている情報を提供し、満足度を高められるように設計しましょう。
気軽に参加できるオンラインセミナーだからこそ、参加者は視聴中に興味がないと判断したらすぐに視聴をやめて離脱する可能性が高いです。しっかりと惹きつけて最後まで視聴してもらい、求めている行動に繋げるためにも、事前にペルソナの設定を行い、ペルソナに合ったウェビナーの内容を企画しましょう。
定期的にウェビナーを開催する場合は、毎回のアンケート回答結果をもとにコンテンツ内容を調整するなど、適切な情報提供ができるよう改善するのがおすすめです。
なお、ウェビナーの実施目的によって異なりますが、自社商品・サービスのPRは最低限におさえると印象がよいとされています。
②ウェビナー配信に適したツールを活用する
ウェビナー配信に適したツールを活用し、効率よく実施しましょう。以下のような機能を備えたウェビナーツールを活用してみてください。
● 参加申込みWebフォーム
● 高品質な映像配信
● 入退室履歴
● チャット、質疑応答、投票などの機能
● アンケートフォーム
● メール配信
● MAツールとの連携など
例えばイベント管理プラットフォーム「Cvent」では、メール配信やレポーティング、チャット・質疑応答・投票を使ったインタラクティブなライブ配信などが可能です。また、複数のMA・CRMツールとの連携も可能です。
③共催ウェビナーで効率的な集客やブランディングに繋げる
他社との共同開催(共催ウェビナー)なら、一社単独開催よりも幅広い人たちに興味を持ってもらいやすく、効率的な集客やブランディングが可能になります。
また、共催ウェビナーでは複数社から情報提供できる分、参加者の満足度も高めやすいです。テーマによっては話題性も高まり、ウェビナーに興味を持ってもらいやすくなります。ただし、単独開催時に比べて、コミュニケーションコストが発生する点には、注意が必要です。
④開催前のリマインドメールで当日参加率を上げる
参加の申込みハードルが高くないウェビナーは、リアルイベントと比較して、当日の参加率がやや低くなってしまう傾向があります。そのため、開催前にリマインドメールを送信し、少しでも当日の参加率を上げることを欠かさず行いましょう。
ウェビナーへの参加方法を説明したり、当日の目玉コンテンツを紹介したりと、リマインドメールの内容を工夫することもおすすめです。最低でも1回、状況に応じて、3回ほどメールを送信出来るとよいでしょう。
⑤スムーズに配信できるように準備・リハーサルを行う
事前準備やリハーサルを行い、スムーズにウェビナーを配信できるように備えましょう。いくら魅力のあるコンテンツを用意していたとしても、配信時のささいなストレスやトラブルが台無しにしてしまう可能性もあります。
以下のような点に気をつけながらリハーサルを進めておきましょう。
● 安定的に配信できるネット環境か(通信速度など)
● 画質・音質がよいか(映像の乱れやノイズがないか)
● 投影資料・スライドが見やすいか(フォント、色味など)
● 配信トラブル時の対応方法
● 当日のスタッフの役割分担
準備段階では忘れがちですが、終了間際にアンケートを表示するタイミングや、チャット・Q&Aへの対応担当者などを決めておくと、当日に慌てることなく対応できて安心です。
⑥参加者へのアフターフォローを行う(アポ獲得や詳細資料の送付など)
ウェビナー終了後、参加者にアフターフォローを行いましょう。
ウェビナー参加直後は参加者が商品・サービスに興味を持っている可能性が高いため、アクションを促すような提案や詳細を知れるような情報提供をするとよいです。
イベント管理プラットフォームのメール配信機能を活用して一斉にフォローするのも有効です。参加者のアンケート回答結果や視聴履歴のデータなどをもとにセグメント化し、より精度を高めて配信ができるとよいでしょう。
一番熱量が高いタイミングを逃さないよう、アプローチ方法やタイミング等を事前に準備しておくことも大切です。
⑦ウェビナー終了後にデータ分析を行う
ウェビナー終了後、閲覧数や滞在時間、離脱した箇所、アンケート回答結果などのデータをもとに分析を行いましょう。ここでの振り返りによって、次回のウェビナーの改善に繋げられます。
平均視聴時間などのウェビナー視聴データと、商品・サービスページの閲覧データなどを組み合わせて、参加者の購買意欲を可視化してみてください。
まとめ|入念な企画・準備で効果的なウェビナーを
今回はウェビナーマーケティングのメリットや成功のコツなどをご紹介しました。
ウェビナーマーケティングは、獲得したリードに対して関係構築を行いやすく、視聴履歴などのデータを取得して分析や振り返りが行えるのがメリットです。
「Cvent」などのイベント管理ツールを使うと、参加申込み登録やメール配信など、細かな作業を効率化できます。ぜひ、イベント管理ツールの利用も検討してみてください。