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ピッチイベントとは? 目的や代表的なイベント、開催時の検討ポイントをご紹介

ピッチイベントは、スタートアップ企業が投資家などにプレゼンを行い、資金調達やパートナー企業とのマッチングなどを行うイベントであり、大企業にとってはオープンイノベーションの実践の場でもあります。ピッチイベントの開催は、官公庁やイベント会社、事業会社などさまざまな企業が主催しており、目的は開催する立場によって異なります。

本記事では、スタートアップ企業がどのような目的でピッチイベントに参加するのかをご紹介したあと、主催企業の開催目的、主催時の検討ポイントなどを解説します。

最後には代表的なピッチイベントもご紹介します。ピッチイベントの開催を検討している方は参考にしてください。

目次

ピッチイベントとは

ピッチイベントとは、スタートアップ企業が投資家などに自社サービスをプレゼンし、資金調達やパートナー企業とのビジネスマッチングなどを行うイベントです。ピッチコンテストとも呼ばれます。

ここでの「ピッチ」とは、プレゼンテーションよりも短い時間で端的に説明するイベントを指しています。シリコンバレー発祥の「エレベーターピッチ(エレベーターに乗ってから降りるまでの短い間に提案する様子に由来する単語)」から転じています。

最短1分、長くて20分程度のピッチでは、意思決定までが行われることは少なく、あくまで商談等の具体的なアクションに繋がる「きっかけづくり」となる場合がほとんどです。

スタートアップ企業がピッチイベントに参加する目的

スタートアップ企業がピッチイベントに参加する目的は、以下の4つです。

資金調達

ピッチイベントはスタートアップ企業にとって、参加している投資家との出会いの場となります。そのため、スタートアップ業界の中では、資金調達の方法の一つとして、ピッチイベントへの登壇があります。

投資家としても、効率的に多くのスタートアップ企業を知れることから、有望な投資先を発掘するチャンスでもあります。

パートナー企業とのビジネスマッチング

パートナー企業とのビジネスマッチングを目的として参加するケースもあります。スタートアップ企業である自社のみでは足りない部分を補うパートナー企業を探すべく、登壇します。

パートナー企業になりえるのは主に大企業です。自社にはない技術力やアイデアなどを受け、新規事業として立ち上げます。ピッチイベント後の具体的な商談を経て、業務提携に繋げます。

認知度の向上

サービスや企業の認知度向上も、ピッチイベントの参加目的になります。

ピッチイベントにはメディア取材が入ることがあります。ピッチイベントで入賞すれば、メディアに大々的に取り上げられる可能性があります。

事業に対するフィードバック

質疑応答や意見交換の時間があるピッチイベントでは、審査員や参加者からコメントをもらうことができます。また、ピッチイベントの会場内で出会った人から質問を受けることもあります。

こうしたコメントや質問は、事業計画やサービス改善への貴重な声となります。知見や気付きを得る場所として、ピッチイベントに参加するスタートアップ企業もあります。

主催別|ピッチイベントを開催する目的

ピッチイベントは、以下のステークホルダーにとって意義のあるイベントです。

  • スタートアップ企業:投資を受けたり、認知度を高めたりする機会になる
  • 投資家:有望なスタートアップ企業を見つける機会になる
  • 参加企業:オープンイノベーションの機会を得られる

では、ピッチイベントの主催者はどのような目的で開催しているのでしょうか。ここでは、主催企業側が開催する目的を説明します。

官公庁主催の場合:日本経済の活性化

官公庁が主催する場合、主に日本経済の活性化が目的となります。直接的・短期的な利益を目的とせず、間接的・長期的な視野で、市場の活性化や雇用創出、税収増加などを期待したものです。

たとえば、省庁が主催する場合、日本から新規ビジネスを創出して、世界と戦えるユニコーン企業を生むことが目的の1つと想定できます。また、県や市が主催する場合は、企業誘致や協業などを通じて、当該地域の活性化を図り、税収増加や雇用拡大、新規産業の発掘などに繋がることを期待します。

このように最近では、スタートアップ・ベンチャー企業への投資の一環として、官公庁が予算を投じてピッチイベントなどが行われる傾向があります。

イベント会社・メディア主催の場合:利益創出や認知度向上

イベント会社やメディア企業が主催する場合、自社の利益創出や認知度向上が主な目的です。

ピッチイベントの開催にあたり、ビジネスマッチングの場を提供する代わりに、スポンサーからのスポンサー料や、参加者からの参加費などを募ることで、利益を得ます。

また、業界に特化したメディアが主催するピッチイベントは、当該メディアの業界における認知拡大やブランドづけを副次的な目的と位置付けるものも多いと想定されます。

事業会社主催の場合:新規事業企画やスタートアップ企業との協業の創出

事業会社がピッチイベントを開催する場合、その場から新規事業が創出されることや、スタートアップ企業との協業によって得られるビジネス機会を目的とするケースが多いです。

技術力やアイデアのあるスタートアップ企業と、資本力やノウハウを持つ大企業がマッチングすることで、オープンイノベーションが加速します。双方の弱点を補完するような提携ができれば、新たなビジネスやサービスが生まれる可能性があります。

ピッチイベント開催時の検討ポイント

ピッチイベントを開催する主催者が、開催にあたって検討しておきたいポイントを解説します。

リアル開催かオンライン開催かハイブリッド開催か

ピッチイベントをどのような開催形式で行うかを検討しましょう。

  • 会場で対面にて行うリアル開催
  • ライブ配信で行うオンライン開催
  • リアルとオンラインをかけ合わせたハイブリッド開催

から選びます。

リアル開催の場合、登壇企業と投資家、参加者同士を繋げやすいのが特徴です。会場内で交流会を開催し、お互いが自由に話しやすい環境を用意できれば、ビジネスマッチングが起こりやすくなります。また、ピッチイベントでプレゼンするスタートアップ企業にとっては、プレゼンの熱量が伝わりやすく、投資に繋がりやすいと考えられます。

オンライン開催の場合、関係者全員がオンライン上でどこからでも参加できる自由度の高さが特徴です。一方で、オンライン上で盛り上がるための工夫も必要です。

ハイブリッド開催の場合、リアル開催とオンライン開催のメリットを同時に提供できます。より本気度の高い人はリアルの場に参加するため、興味関心の度合いによってアプローチを変えることも可能でしょう。

また、オンライン開催とハイブリッド開催の場合、海外投資家にも気軽に参加してもらいやすい点はメリットです。

最近では、立ち上げ初期段階で海外進出を視野に入れたスタートアップ企業も多く、海外の投資家にもピッチイベントに参加してもらえるのは、こうしたスタートアップ企業にとっては非常に嬉しいポイントです。

登壇者のプレゼン方法を一方通行にするか双方向にするか

登壇するスタートアップ企業のプレゼン方法を、

  • 一方通行のスタイルをベースにするか
  • 投資家や参加者と会話ができる双方向のスタイルをベースにするか

を検討します。

一方通行ベースの場合は、登壇者の思いや事業内容を伝える時間を十分に取れる反面、投資家からのリアクションを得る時間が少ないため、ピッチ以外の時間で交流の場を十分に設けることが大切になります。

また、双方向ベースの場合は、ピッチ後に質疑応答や意見交換を十分に設けることができ、ピッチイベント自体が盛り上がるきっかけにもなりますが、登壇者の発表時間が少なすぎた場合、逆に趣旨が十分に伝わり切れないまま、投資家からのリアクションがただの内容確認のみに終わってしまう可能性もあります。

ピッチイベントの審査員や参加者との距離感、時間の制約、生み出したい効果などと照らし合わせて検討してみてください。

誰がどのように審査するのか

ピッチイベントで審査が行われる場合、その審査員を誰にするのか、そしてどのような基準で審査するのか、が重要です。

審査員として外部ゲストを呼ぶのか、イベント参加者も審査できるようにするのかなどを検討する必要があります。また、選定基準を曖昧にしてしまった場合、客観性を欠いた審査になることから、審査の観点は特に丁寧に吟味する必要があります。

開催頻度や回数、参加人数をどうするか

ピッチイベントの開催頻度や回数、参加者の人数を検討しましょう。

ピッチイベントは、1回限りの開催ではなく、継続開催を前提とするケースが多いです。なぜなら、ピッチイベントは、定期的に開催することで、徐々に知名度が上がり、登壇者・投資家・参加者の人数が増えていくからです。

また、数ヶ月単位で定期開催する場合、登壇者や参加者が計画を立てやすくなります。登壇者・投資家・参加者の誰もがメリットを得られやすくするためにも、一回きりのイベントにせず、定期的に開催して機会創出へと繋げていきましょう。

また、登壇者が何回まで参加できるのか、などの取り決めも必要です。後ほどご紹介しますが、サービスのローンチから何年以内、といった基準を設けているピッチイベントもあります。

登壇者・参加者の募集など出欠管理をどうするか

主催者は、ピッチイベントをスムーズに運営するためにも、登壇者と参加者の双方の事前登録情報や当日の出欠を管理する必要があります。簡単に管理できる方法を検討しておくとよいでしょう。

登壇者と参加者それぞれが登録申請できる公式サイトやフォームを用意します。当日は、事前登録情報をもとに出欠管理できるようにすると便利です。特にリアル開催で参加者が多い場合は、QRコードでチェックイン可能なツールを用いる等、当日スムーズに受付できる準備をします。

登壇者・投資家・参加者をどのように繋ぐか

「どのように登壇者・投資家・参加者を繋ぐか」はピッチイベントにおいて重要です。会場内で交流の場を用意するだけでなく、事前・事後に登壇者のプロフィールやプレゼン内容を共有して、出会いやすくするコーディネートが大切です。

代表的なピッチイベントの開催事例

最後に、代表的なピッチイベントをご紹介します。目的や開催形式などをまとめていますので、参考にしてください。

※下記情報は全て、2023年1月執筆時点での各公式サイトを参考とした内容です。

TechCrunch Tokyo

TechCrunch Tokyoは、スタートアップ&テクノロジーメディア「TechCrunch Japan」が主催する、日本最大級のテクノロジーとスタートアップの祭典です。Keynoteセッションでは、海外企業の経営者や投資家などが登壇します。

スタートアップバトルと呼ばれるピッチコンテストでは、設立3年未満、正式ローンチが1年未満のプロダクトやサービスを持つスタートアップ企業が登壇します。

なお、同イベントを主催するメディア「TechCrunch Japan」は2022年3月31日に更新終了し、2022年5月1日にはサイトが閉鎖済み。
https://www.beboundless.jp/press/corporate-announcement-02-15-2022

目的投資家からの出資、大企業の新規事業との連携、優秀な人材の採用等
参加規模2,500人程度
開催形式オンライン開催(2021年度)
URLhttps://www.beboundless.jp/press/techcrunchtokyo-2021-program

Morning Pitch

Morning Pitchは、ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベントです。デロイト トーマツ ベンチャーサポート、野村證券の2社が幹事となり行われます。

毎週木曜日の朝7時から、毎週5社のベンチャー企業が、大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等の約200〜300名に対してピッチを行います。

2021年12月時点で、400回以上開催され、累計1,900社超のベンチャー企業が登壇しています。

目的ベンチャー企業と大企業の事業提携の創出等
参加規模200〜300人程度
開催形式ハイブリッド開催(2023年1月現在)
URLhttps://morningpitch.com/

Keidanren Innovation Crossing

Keidanren Innovation Crossing(KIX)は、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が主催するピッチイベントです。

スタートアップピッチでは、テクノロジーを通じて社会課題の解決に取り組むスタートアップ企業が登壇します。2022年12月現在はハイブリッド形式で開催されており、会場約60人、オンライン約60人といった割合で参加がありました。

目的スタートアップ企業と大企業の事業提携の創出等
参加規模100〜200人程度
開催形式ハイブリッド開催(2022年12月現在)
URLhttp://www.keidanren.or.jp/journal/times/2022/1208_09.html

HVC KYOTO

HVC KYOTOは、Healthcare Venture Conference KYOTOの略称で、日本最大級のヘルスケア分野特化型の英語ピッチイベントです。京都リサーチパークが主催です。

ヘルスケア領域のスタートアップ企業が登壇してプレゼンを行います。世界各国から選ばれて一次選考を通過したファイナリストがピッチに登壇できます。

目的パートナー企業とのマッチング等
参加規模400人程度
開催形式ハイブリット開催(2022年度)
URLhttps://www.krp.co.jp/hvckyoto/

OSAKA INNOVATION HUB

OSAKA INNOVATION HUB(OIH)は、2013年にうめきた地区に大阪市が開設した、世界に挑戦する起業家や技術者が集まるイノベーション創出拠点です。

OIHでは、スタートアップの事業を加速させるためのピッチイベントを年間50回程度開催しています。ピッチを通して、大企業や投資家、メンター、メディアとの出会い、新たなビジネスマッチングを創出します。

毎月テーマを設定して開催される「うめきたピッチ」や、オランダで始まったピッチコンテストの日本大会である「GET IN THE RING OSAKA」、情報通信分野で起業を目指す人の事業化を支援するピッチイベント「ミライノピッチ」、起業家のアイデアとビジネスモデルを競う「Hack Award」などがあります。

目的投資家からの出資、大企業やメディアとの連携等
参加規模ピッチイベントによって異なる
開催形式おもにオンライン開催(2022年度)
URLhttps://www.innovation-osaka.jp/ja/oih/pitch/

NTT DATA Open Innovation

NTT DATA Open Innovationは、オープンイノベーションの実現を目的としてNTTデータが主催するピッチイベントです。最先端の技術とアイデアを持つベンチャー企業と、新たな付加価値を生み出したい大企業のマッチングの場となります。

目的スタートアップ企業と大企業の事業提携の創出等
参加規模300人程度
開催形式オンライン開催(2022年度)
URLhttps://oi.nttdata.com/

Industry Co-Creation (ICC) サミット

Industry Co-Creation (ICC) サミットは、ICCパートナーズが主催する「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。参加者同士が真剣に議論して学び合うカンファレンスであり、その中でピッチイベントも行われます。

ピッチイベントでは、投資家が審査し順位づけがされます。登壇するスタートアップ企業にとっては、資金調達のほか、パートナー企業とのマッチング、メディアに取り上げられる機会にもなります。

目的投資家からの出資、パートナー企業とのマッチング等
参加規模800〜900人程度
開催形式リアル開催(2023年度)
URLhttps://industry-co-creation.com/events/icc-fukuoka-2023

まとめ|目的やゴールを定義し、効果的にピッチイベントを開催しよう

ピッチイベントは、投資家やパートナー企業とのビジネスマッチングを生み出し、新規ビジネスや付加価値の創出を目指して行われるイベントです。主催企業として、何をゴールとして開催するのか、を明確にすることが重要になります。

効果的なピッチイベントを開催できるように、今回ご紹介した検討ポイントが参考になれば幸いです。

なお、魅力的なピッチイベントの開催に向けては、リアル・オンライン・ハイブリットの全ての形式に対応したイベント管理プラットフォーム「Cvent」のご活用も検討ください。

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