効果的なセミナーアンケートの作り方【テンプレート付き】
セミナーを開催する際は、セミナーアンケートを実施し、参加者の満足度などの情報を収集することが重要です。本記事では、効果的なセミナーアンケートの作り方について解説します。アンケート作成時の注意点、アンケートで聞くべき項目、回答率を上げるポイントについても解説します。
目的を明確に
セミナーアンケートを実施する際は、目的を明確にした上で実施することが重要です。
セミナーの目的を明確にせず、セミナーアンケートを実施してしまうと、回収したアンケートデータを「セミナー運営の改善」や「人気製品の検証」等に上手く活用することができず、セミナーを実施しただけで終わってしまうことがあります。
一方、たとえば、セミナーの目的を「製品Aの受注」と明確に設定している場合は、販売したい製品への興味の有無だけでなく、資料請求や説明希望もアンケートに入れる必要があると判断できます。「受注」に関連する質問項目を複数加えておけば、アンケート回答から見込み客を抽出しやすくなり、効率的なアプローチが可能になるわけです。
作成時の注意点
アンケートを作成する際は、アンケートの回収率を上げ、セミナー参加者から引き出したい情報が得られるように内容を検討することが重要です。
以下で説明するアンケート作成時の注意点を把握し、アンケート作成を行いましょう。
選択式も活用する
アンケートの回答方式は、自由記述だけでなく選択式も活用することをおすすめします。
自由記述方式には、選択式の設問よりも詳細な情報を引き出しやすいというメリットがあります。一方、選択式の質問は、選択肢の中から選ぶだけで良いため回答しやすいというメリットがあります。
アンケートを作成する際は、自由記述式と選択式の違いを把握し、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
抽象的な質問はしない
セミナーアンケートを作成する際は、回答者が簡単に短時間で回答できるように配慮することが重要です。考え込まないと回答できない質問をした場合、次の質問に進むために適当に回答を行ったり、回答をやめたりする恐れがあります。
例えば、セミナーを知ったきっかけを質問する場合は、考えられる選択肢を全て用意して、できるだけ「その他」の自由記入項目を書く必要がないように作成します。
アンケート設問を設計する上で最も避けなければならないことは、回答者にとって当てはまる選択肢が無いことです。そのためには、抽象的な質問をせずに、回答者が選びやすい具体的な選択肢を用意する必要があります。
5段階評価の注意点
セミナーの満足度のように、5段階評価の質問を行う際は、1から5のどちらが良いのか悪いのか、明確にわかるように記載しましょう。
(悪い例)
セミナーの満足度をお聞かせください。
1 2 3 4 5
上記の場合、大多数が「5に近づくほど「満足」を意味するのだろう」と判断するのは間違いありませんが、中には1をポジティブな回答として捉える方もいたり、回答に急いでいると逆に答えてしまう可能性もあります。
口頭ではなく文字でのコミュニケーションだからこそ、作成者の「わかるだろう」という先入観にとらわれずに、丁寧に記載してあげることがポイントです。
(良い例)
セミナーの満足度をお聞かせください。
非常に不満 やや不満 どちらでもない やや満足 非常に満足
1 2 3 4 5
なお、「どちらでもない」という選択肢を入れた5段階評価は、一般的で回答しやすいというメリットがあります。しかし、「どちらでもない」という選択肢に回答が偏りやすいというデメリットがあります。
より明確に意見を収集したい場合は、「どちらでもない」の選択肢を除いた4段階評価での質問を検討すると良いでしょう。
満足度を質問する際は、最初に総合満足度を聞く
セミナーの満足度に関する質問を入れる際は、最初に総合満足度を聞くようにしましょう。
総合満足度を聞いた後に、セミナー内容、時間配分、スタッフ対応といった質問を入れることがポイントです。
総合満足度よりも先に個別項目に関する質問を入れた場合、もし何か一つ飛び抜けて良い項目や悪い項目があった際に総合満足度の評価をミスリードしてしまう恐れがあります。そのため、満足度を質問する際は最初に総合満足度を聞き、その後に個別項目を質問することをおすすめします。
分析目的に合った設問にする
アンケートを分析する目的にあった設問にすることで、収集したい情報を分析しやすい形で集めることができます。
例えば、セミナーを知ったきっかけに関する質問において、
- 「どの認知経路が多いのか」を知りたい場合
- 「どの認知経路が一番ユーザーの決断に関与したか」を知りたい場合
では、質問の聞き方が異なります。
「どの認知経路が多いのか」知りたい場合は、当てはまる選択肢を全て選ぶように質問します。
質問文 | 選択肢 |
このセミナーを、お知りになった情報源を全て教えて下さい。当てはまるものを全て選択してください。 | □インターネット広告 □新聞 □雑誌 □TV □その他( ) |
「どの認知経路が一番ユーザーの決断に関与したか」を知りたいのであれば、以下のように、選択肢を一つだけ選ぶ質問を追加すると良いでしょう。
質問文 | 選択肢 |
このセミナーに参加する一番のきっかけになった情報源は、どれですか?当てはまるものを一つだけ選択してください。 | □インターネット広告 □新聞 □雑誌 □TV □その他( ) |
回答例を載せる
自由入力欄に回答者がどのような内容にすればよいか迷いそうな場合は、回答例を示すことでアンケート依頼側が意図した回答を引き出しやすくなります。
例えば、美容院の新規出店セミナーのアンケートに、出店希望エリアの質問が設けられているとします。
セミナー参加者によっては、候補物件が決まっている人もいれば、○○市や○○沿線のように大まかなイメージしか持っていない人もいるでしょう。
このような場合は、自由入力欄に次のように回答例を載せることで、セミナー主催者側が得たい情報を引き出すことができます。
出店候補地をお聞かせください。 自由記述欄 出店候補の物件がある方は、都道府県、市町村、番地まで詳細にご記入ください。 まだ候補地を検討中の方は、「○○駅周辺」「○○県○○市」のように、検討されているエリアを入力してください。 |
第三者のチェックを入れる
セミナーアンケートを作成した段階で、第三者にアンケートに回答してもらうことをおすすめします。
第三者のチェックを入れることで、必要な質問が抜けていないか、わかりにくい表現がないか、新たな気づきが得られることがあります。
アンケート作成者だけで内容を確認していても気づかないケースがあるため、第三者によるチェックはアンケート作成後に必ず入れるようにしましょう。
セミナーアンケートの作り方
セミナーアンケートを作成する際は、次の3種類の方法があります。
- 紙のアンケート(Word、Excelで作成)
- Webアンケート(Webフォームで作成)
- Webアンケート(イベント管理プラットフォームで作成)
これらの方法のメリット、デメリットを把握し、開催するセミナーにあった作り方を選択することが重要です。
紙のアンケート(Word、Excelで作成)
紙のアンケートがWebアンケートに勝るメリットとしては、以下が挙げられます。
- スマホやPCといったWebでの回答に慣れていない層には受け入れやすい
- 通信環境が悪い会場での開催にも対応ができる
一方で、紙アンケートでは、
- 「必須」と記載していても、必須項目にチェックが入っていない
- 「1つだけ選択してください」と案内していても、2つ以上選択される
といったように、アンケート設計者が意図しない回答も一定割合で発生する点には、注意が必要です。
この他に、「氏名、住所、自由記述欄等の筆記が読みづらい回答が発生する可能性」も、紙アンケートのデメリットとして挙げられます。細かい工夫点ではありますが、
- 自由記述欄は大きく余白を取ってあげる
- 書きやすい品質の高いボールペンを用意する
- 机の用意ができない場合はアンケートボードを用意する
等の配慮が大切です。
Webアンケート(Webフォームで作成)
ウェビナーの普及に伴い、Webアンケートも広く用いられるようになりました。無料、有料のWebアンケート作成ツールを利用し、Webアンケートを作成できます。
Webアンケートのメリットとして、集計を素早く簡単に行えるという点が挙げられます。特に、参加者が数百名以上の規模のセミナーでも、Webアンケートなら集計の労力を抑えて実施できる点は、大きなメリットです。
また、アンケート回答のデータは、簡易的な集計であれば、ツール上で行えるものがほとんどです。さらに、CSVやエクセルのファイル形式で、アンケートの回答データをエクスポート可能なツールも多く、紙アンケートのように回答を集計するためにExcelに入力する必要がないというメリットがあります。
Webアンケートを作成する際は、Webフォーム作成ツールを利用することになります。個人情報を入力することが考えられるため、企業のセキュリティポリシーに合致したツールを選ぶように注意してください。
Webアンケート(イベント管理プラットフォームで作成)
Webアンケートは、イベント管理プラットフォームでも作成可能です。
イベント開催にイベント管理プラットフォームを活用すれば、Webアンケート作成のためにわざわざ別のツールを利用せずに、シームレスにWebアンケートを作成可能です。
イベント管理プラットフォームでWebアンケートを作成するメリットは、セミナー参加者の登録情報とアンケート回答者の顧客情報を紐付けできる点です。Webアンケート作成ツールを用いて作成した場合は、氏名やメールアドレス、電話番号を用いて名寄せする必要があります。しかし、イベント管理プラットフォームなら、名寄せせずに、一元管理が可能です。
また、Webアンケートのデメリットとして回答率の低さがありますが、イベント管理プラットフォームなら改善が可能です。なぜなら、イベント会期中やウェビナー配信中にアンケートの実施や回収ができるからです。つまり、インタラクティブやスムーズさを意識した絶妙なタイミングでのアンケート実施が可能なのです。
セミナーアンケートに必要な項目
セミナーアンケートを作成する際は、次の項目は少なくとも記載するようにしましょう。
記載項目 | 詳細 |
アンケート導入文 | 書き方で回答率に影響を及ぼすため、重要なパート。挨拶、アンケート回答の目安時間、アンケートの目的、アンケート回答のインセンティブを記載する。 |
氏名、連絡先 | セミナー開催後に連絡が取れるように、氏名、住所、電話番号といった連絡先の入力欄を記載する。 |
セミナー満足度 | 総合満足度だけでなく、セミナー内容、時間配分、スタッフ対応といった個別項目の満足度も質問することで、詳細な分析ができる。 |
セミナーを知ったきっかけ | 次回のセミナー開催時に、集客経路の検討に活用可能。 |
資料請求、面談希望の有無 | 製品の販売を目的としているセミナーであれば、必ず入れる。 |
回答率を上げるポイント
アンケートの回答率を上げるために重要なポイントをまとめたものが、次の表です。
施策 | 詳細 |
回答者に特典を用意する | セミナーの配布資料、デジタルギフト券、QUOカード、ノベルティグッズが、よく用いられる。 |
A4 1枚に収まる内容にする | 紙のアンケートの場合は、A4 1枚を超えると回答率が下がる。 ※裏にもアンケートを記載する場合は、裏もある旨を記載しておく。 ※Webアンケートの場合も、A4 1枚程度の量を目安に作成する。 |
インセンティブがある場合は、導入文に記載する | インセンティブの案内は、わかりやすく、目立つ場所に記載する。 |
必須項目は最低限に抑える | Webアンケートの場合は、必須項目が多いとそもそも回答自体をやめてしまう傾向が顕著に現れる。 |
導入文に、回答時間の目安や全体の質問数を記載する | Webアンケートの場合は、全部でどの程度質問があるのかわかりにくいため、回答時間の目安や全体の質問数を記載したほうが回答してもらいやすい。また、Webアンケートでページ遷移が発生する場合は、どの段階まで回答済みなのか表示することで、回答者のストレスは軽減される。 |
セミナーアンケート【テンプレート】
今回の記事で説明した内容を反映した、セミナーアンケートのテンプレートです。セミナーアンケートを作成する際に、ぜひご参考ください。
【セミナー名】アンケート
この度は、【セミナー名】にご参加いただき、誠にありがとうございました。今後のセミナー開催の参考にさせていただくために、アンケートへの協力をお願いいたします。
なお、本アンケートに回答いただいた方には、【セミナー回答のインセンティブ】を進呈いたします。
※アンケート回答後に、セミナースタッフにお渡しください。アンケートと引き換えに、【セミナー回答のインセンティブ】をお渡しいたします。
Q1
今回のセミナーは、満足いただけましたか?
□大変満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満
Q2
今回のセミナーの次の項目に関して、満足いただけましたか?
①セミナー内容
□大変満足 □やや満足 □やや不満 □不満
②時間配分
□大変満足 □やや満足 □やや不満 □不満
③スタッフ対応
□大変満足 □やや満足 □やや不満 □不満
Q3
今回のセミナーで紹介した製品について、興味のあるものがありましたら、お答えください
製品A □興味あり ( 資料がほしい ・ 説明が聞きたい ) □興味なし
製品B □興味あり ( 資料がほしい ・ 説明が聞きたい ) □興味なし
製品C □興味あり ( 資料がほしい ・ 説明が聞きたい ) □興味なし
Q4
今回のセミナーに関して、ご意見、ご要望などございましたらご記入ください
氏名
住所
電話番号
アンケートへの回答に協力くださいまして、誠にありがとうございました。
回答いただいた情報は、弊社の個人情報保護方針に基づき適切に利用させていただきます。
まとめ
今回の記事では、効果的なセミナーアンケートの実施方法について解説をしました。
セミナーアンケートを作成する際は、本記事で説明した注意点を把握した上で作成し、回答率を上げるポイントに注意して実施していただければと思います。セミナーアンケートのテンプレートもぜひご活用ください。
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